アルミニウムと水酸化ナトリウム水溶液の反応を反応式で表すと、

アルミニウムは水酸化ナトリウム水溶液と反応して、水素とテトラヒドロキソアルミン酸ナトリウムになります。

http://www.asahi.com/national/update/1020/TKY201210200169.html
東京メトロ丸ノ内線が東京都文京区の本郷三丁目駅で2012年10月20日未明に停車中、車内で缶が破裂しけが人が出た事故で、破裂した缶を持っていた女性は、市販の缶コーヒー用のアルミ缶に洗剤を詰め替え、車内に持ち込んでいたという。警視庁と東京消防庁によると、女性が持ち込んだ洗剤は業務用の強力洗剤で、主な成分は水酸化ナトリウムや水酸化カリウム。強いアルカリ性を示し、缶のアルミニウムと化学反応して水素が発生したことが、破裂につながったと見ている。
神戸大学の持田智行教授(物性化学)は「水酸化ナトリウムは劇物で取り扱いは注意が必要だ。密閉容器内で化学反応が進むと水素が充満して内圧が高まり、とても危険だ」と話す。
洗剤を扱う業者や専門家は、容器の移し替えの危険性を指摘する。
業務用洗剤を扱う関東地方の卸業者によると、この洗剤は通常、飲食店の調理場など油汚れのひどい部分の洗浄に使われるという。洗剤が金属と化学反応を起こすおそれがあるため、通常はポリエチレンの容器に入れた状態で販売される。アルミや銅、銀、亜鉛などの金属は使わないように、「注意書き」もついているという。
この業者は「家庭用の商品よりも強力で、家で使いたい気持ちも分かるが、専用の容器に入れるのが原則だ。アルミ缶に入れるのはもってのほか」と注意を促す。別の埼玉県の業者も「飲料用のアルミ缶は内側がコーティングされているはずだが、強力な洗剤だと被膜を溶かすこともある。持ち運びの衝撃で缶が傷むこともあり、移し替えは危険だ」という。
消費生活アドバイザーの阿部絢子さんは、業務用洗剤だけでなく、台所や風呂掃除向けの家庭用洗剤でもアルカリ性の強いものがあるといい、「家庭用洗剤でも詰め替えはせず、コーティングされた専用容器に入れて、取り扱いには十分注意して」と話す。

http://mainichi.jp/select/news/20121021k0000m040098000c.html
東京メトロ丸ノ内線「本郷三丁目駅」に停車中の電車内で2012年10月20日未明、アルミ缶が破裂し14人が軽傷を負った事故で、警視庁はアルミ缶の中の強アルカリ性洗剤が、アルミと化学反応を起こし、水素が充満して破裂した可能性を指摘している。業務用洗剤は一般的に強アルカリ性成分で、水や金属と反応すると水蒸気や水素ガスを発生させる。専門家は「強アルカリ性の洗剤の詰め替えは危険」と注意を促している。
名古屋大学大学院の石原一彰教授(有機合成化学)によると、強アルカリと水が反応すると、発熱して水蒸気が発生し、アルミ缶のアルミニウムと反応すれば、水素ガスが発生する。缶を持っていた女性はコーヒーの空き缶に洗剤を入れて、ふたをしてビニールや紙袋で包んでいた。密閉状態で缶内部が膨張し破裂したとみられる。
石原教授は「アルミ缶が破裂するのは、相当な威力。強アルカリで内部のコーティングが溶け、薄くなっていた可能性がある」と指摘する。強アルカリは、皮膚につくとやけどを負い、目に入れば失明の可能性もある。石原教授は「酸やアルカリを金属と一緒にしてはいけない。ガラスやポリ容器などの専用容器から、詰め替えるのは危険」と話している。

http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/kagaku/archive/resume027.html
アルミニウムが水酸化ナトリウム水溶液と反応しで発生した気体に火を近づけると、独特の音を立てました。
これも、水素が発生したということがわかります。
水素とは何か


エネルギー資源の枯渇、地球温暖化問題などを背景に水素エネルギーの利用技術の確立に対する要求が強くなっている。本書は、「水素とは何か」から環境問題を解決するために取り組まれているプロジェクトまで、水素のすべてを図・写真を用いてわかりやすく解説。
第1章 今、なぜ水素なのか?
1 地球温暖化と水素エネルギー「待ったなしの温暖化対策」
2 エネルギー資源の枯渇「石油依存からの脱却を視野に」
3 エネルギー供給の多様化「不安定な石油頼りのエネルギー」
第2章 水素とは? その使い方
4 宇宙の起源は水素から「すべての元素は水素から作られた」
5 水素はいつ、誰がみつけたの?「水素のラテン語の意味は「水を生ずる」」
6 水素はどこに、どれくらいあるの?「地表には水として大量に存在」
7 水素の物性(1)同位体「水素は質量数の異なる3種の同位体を持つ」
8 水素の物性(2)オルト水素とパラ水素「陽子のスピンの異なる2種の水素分子」
9 水素の物性(3)大きさや分子量が小さい「小さいことが水素の特徴」
10 水素の物性(4)拡散「すばやく拡散する水素」
11 エネルギーキャリアの必要性「扱いにくい一次エネルギーを使いやすい二次エネルギーへ」
12 水素のエネルギーキャリアとしての特性「水素は貯蔵・輸送できるエネルギー」
13 水循環と水素エネルギー「水素は自然の水循環にとりこまれる」
14 水素は燃えやすいのか「メタンやプロパンと比べ燃えやすい」
15 核融合もあるけれど「重水素と三重水素の核融合反応」
16 原料としてアンモニアの合成と水素「空中チッ素の固定」
17 原料として石油の精製と水素「水素を最も多量に生産しているのは石油業界」
18 エネルギーとして宇宙計画「宇宙開発と水素エネルギー」
19 エネルギーとしてニッケル水素電池「水素エネルギーの商用化第1号」
20 食品にも使われる水素「マーガリンの製造には水素が必要」
21 発電機の冷却材「冷却効率よく、適用範囲拡大」
22 さまざまに広がる水素の利用「思わぬところで水素は利用されている」
第3章 水素の製造法
23 化石燃料から(1)水蒸気改質「水素の大規模工業生産で実績」
24 化石燃料から(2)部分酸化「不完全燃焼の巧みな応用」
25 化石燃料から(3)オートサーマル「コンパクトで起動性に優れたオートサーマルリフォーマ」
26 石炭ガス化;二酸化炭素の処理を考える「石炭を高温でガスにして水素を取り出す方法」
27 高効率水素製造のメンブレンリアクター「反応と生成物分離の一体化による高効率化実現」
28 副生水素と製油所水素「既存の装置で水素をつくる」
29 水素は永遠に枯渇しないエネルギー「水素は自然エネルギーと水から作れる」
30 水電解;電気を使って水から水素をつくる「簡単なプロセスで高純度の水素が得られる」
31 バイオマス(1)発酵による水素発生「微生物は発酵で水素を発生する」
32 バイオマス(2)光合成による水素発生「微生物は光合成で水素を発生する」
33 バイオマス(3)熱化学的ガス化法「熱したり、圧力をかけたり」
34 光と水で水素をつくる「光エネルギーを用いた水の分解反応」
35 光を使った水の分解反応「酸化チタンの光水分解の発見」
36 原子力を使う水素製造「脱炭素エネルギーシステムの中核技術」
37 水素の精製法;吸着で不純物を取り除く「PSAとTSA」
第4章 水素の貯蔵法・輸送法
38 高圧ガス;圧縮機で高圧にしてボンベに貯蔵「70MPaの超高圧貯蔵の技術が開発されている」
39 液化水素をつくる「水素ガスをマイナス253℃まで冷やす」
40 水素吸蔵合金;液化水素より小さな体積で貯蔵できる「水素を固形化する」
41 化学プラントで水素を出し入れ「有機ハイドライドとは」
42 無機ハイドライド;アラネート系貯蔵材料、アミド系貯蔵材料;「負に帯電した水素の有効利用」
43 炭素材料;金属との複合で新水素貯蔵材料の可能性「高表面積材料の代表選手」
44 自動車用高圧水素容器「炭素繊維強化プラスチックで軽量化」
45システムとしての貯蔵;ハイブリッド「超高圧水素と水素吸蔵合金の合わせワザ」
46 海上輸送;断熱性能のよい特殊なコンテナを使う「水素の大量輸送は液体水素タンカーで」
47 陸上輸送;大型トレーラやタンクローリーが使われる「水素は高圧に圧縮するか液体にして輸送」
48 水素のパイプライン輸送「将来に備え材料の規格・標準化が検討されている」
49 天然ガス・水素混入ガスの形での輸送「既存インフラの有効活用」
第5章 水素と安全
50 水素ステーションを例に(1)漏洩しないように「水素の漏れる隙間をなくす」
51 水素ステーションを例に(2)漏洩したときも万全の対策「万一漏洩したときのための対策」
52 規制の見直し「ガソリンや天然ガスと同レベルの安全性」
53 トンネルも怖くない「トンネルや地下駐車場は換気が十分されている」
54 ヒンデンブルク号事故の本当の原因は水素ではない「静電気による放電で外皮が発火して炎上」
第6章 水素は何に使われるの?
55 燃料電池(1)小型定置用燃料電池「バックアップ電源用や家庭用の普及が期待される」
56 燃料電池(2)燃料電池自動車「究極のクリーンカー燃料電池自動車」
57 燃料電池(3)燃料電池鉄道車両「架線のいらない燃料電池電車」
58 燃料電池(4)モバイル電子機器用燃料電池「電池の消耗を気にせず使える」
59 燃料電池(5)燃料電池船舶および小型移動体「燃料電池船や燃料電池小型移動体に」
60 水素燃焼タービン「究極の高効率発電を目指して」
61 水素ディーゼルエンジン「水素で動くクリーンなディーゼルエンジン」
62 水素エンジン自動車「燃料電池車に先立って普及する水素エンジン車」
63 液体水素ジェットエンジン航空機「大気を汚染しないジェットエンジン航空機」
64 水素製鉄;還元剤として水素を使う「水素の還元力の活用」
第7章
65 未来の水素エネルギー社会
66 水素ステーション;車への供給はワンタッチで「水素は安全にワンタッチで車に充てんできる」
67 水素立国を宣言したアイスランド「化石エネルギー依存からの脱却」
68 グローバル水素システム;パタゴニアの風力と水素「広大な大地を途絶えることなく強風が吹く」
69 各国・地域に応じた水素エネルギー導入シナリオ「日本、米国、EU?それぞれの個性を反映」
70 水素エネルギー社会のイメージ「エネルギーインフラも、生活スタイルも大変革」
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<中学生になったら>


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水酸化ナトリウムとアルミ缶(アルミニウム)で水素が発生する化学反応式